共通テスト

今年度の入試から共通テストが導入され、様々な意見や対策法がこの世に飛び交っていることと思います。急な変更もあったり情報が交錯していたりと受験する人達は大変だと思います。

色々な情報がある中でこれをさらに追加するのもあれかとは思いますが、東大理三に受かった者の視点はあまりないと思うので、共通テストについて語っていこうと思います。



センター試験と共通テストの違い

最初にみんなが気になるであろう「センター試験と共通テストの違い」について語ります。

簡潔に言ってしまうと「基本的に大きく変わっていない」というのが結論です。この内容について詳しく語っていきます。

全体的な変化

少なくとも今年は記述はなくマークシート形式であることが決まりました。この時点で入試改革が失敗しかけていることが分かると思います。当たり前ではありますが、50万人が受けるテストの記述採点をするのはものすごく大変で、同じ基準にするのはほとんど不可能です。

入試改革で重視されていたもう1つの点が「英語4技能」です。これもいまだによくわからない状態で保留されており、大学ごとにそういう制度を導入しているところが導入しているというだけになっています。

科目ごとの変化

英語

唯一変わったと感じるのは英語です。英語のリーディングが長文重視になり、リスニングも量が多くなりました。

英語リーディングが長文重視になったおかげで、発音や文法の対策が必要なくなり、長文だけに集中することができるようになったと思います。これは国公立大学や多くの私立大学と似た形式なので、特別な対策がいらなくなったことを意味すると思います。ただ、量は多くなるので、処理能力という面ではセンター試験よりも求められ、上位層と下位層の差が付きやすいかと思います。

逆に、英語リスニングが配点が多くなった、また形式も少し変わったのは対策の必要性が上がったことを意味していると思います。東京大学では元々2次試験でリスニングが課されていたこともあり対策している人が多いはずですが、それ以外の大学の人は対策を増やさないかもしれません。しかし、センター試験でもリスニング自体はあったので、少し対策を増やす程度の違いだとは思います。

1つ大きな違いは、リスニングの放送が第3問以降は1回になっていることです。これにより難易度が少し上がるので、共通テストリスニングの配点が大きい大学を受ける人は対策をきちんとしておきましょう。

他の科目

他の科目全体に言えることですが「表面的な変化のみ」というのが言えると思います。直接的に問題として出題するのではなく日常的な場面に当てはめるような形式、先生と生徒の会話文について考える形式、など求めている内容は変わっていないのに形式だけは実生活に近いものにしようというのが感じられます。

問題を解くときの技能、試験に対する対策、としては何も変わりません。どっちにしろ同じ解き方をして、同じようにマークシートを塗るだけです。センター試験を解ける人は共通テストも同じように解けるはずです。

基本的な問題を解く技能を身につけるのはセンター試験と変わらないため、問題演習が足りない場合はセンター試験を使ってみましょう。表面的な内容に一瞬惑わされる可能性はあるので、共通テスト形式のものは23セットは解くようにすると良いです。

共通テストに対する私の考え

共通テスト

ここからは共通テストへの私の考えを語っていきます。受験対策とは話がずれますので、受験生の方々はこれ以降のパートは読み飛ばしていただいて大丈夫です。

共通テストへの変更は「入試を改革したい」という偉い方々の考えによって行われたものと考えられます。入試改革という話は色々なところで過去でもあがっており、大学ごとでは色々な変更が行われてきました。AO入試や推薦入試が増えてきたのもその1つだと思います。

大学ごとの入試改革というのは小さな規模のためそれほど不自由なく進んできました。東大では推薦入試が導入されましたが、これも高校までの実績を評価したもので、推薦で入った人達は面白い人が多いように感じます。そういう意味では成功したのかもしれません(推薦で入れる人は多分一般入試でも入れますが)。

しかし、それを全国規模で行なおうとすると話は変わってきます。センター試験はそもそも基礎学力があるのかないのかを測るための試験です。基本的な問題を解けるかどうかという意味ではかなり優秀な試験です。それを入試改革といって応用的な部分を求めたり実用的な部分を求めたりするとかなり不都合が生じると思います。基礎的な学力があるかどうかを測るセンター試験、応用的な技能や求める人物像を選抜する個別試験、という形があってこその大学入試です。

これを変えるというのはかなり難しく、ほとんど同じ形式のまま共通テストと名前が変わっただけになりました。来年以降も質を保持しながら大きく変更するのは難しいのではないかと思います。

今後どうなっていくと思われるか

今後の変更がどうなっていくと思われるかについて語っていきます。

センター試験の形式を基本的には維持していくというのが私の理想ではあります。英語の形式変更はまだ理解できますが、他の科目の無理やりねじ込んだ実用性というのは理解しかねます。

しかし、受験業界の人々や東大生の多くはこう考えていても、実際はこの希望が通る可能性は低そうかなと私は考えています。

海外から日本の受験業界を見たとき、各大学の入試問題を見るというよりは共通テストの問題を見て判断するはずです。日本からアメリカの入試を見たときはSATについて語ることが多いはずです。そのため、入試を改革したというアピールをする際にはどうしても共通テストを改革していく必要があります。

日本人の特性として形を重視し、中身を重視しないというものがあります。コロナウイルスへの対策でもわかったことですが「この会社は対策をしています」というのを形で表すのが大事なのであって、それが実際に効果を示しているかはあまり重要視されません。

入試をよく知らない人から見ると「英語でリスニングを増やした」「実践的な形式にした」「記述を導入した」というのは見栄えが良いかと思います。つまり形としては改革されたとみなされるのです。中身として質が向上したかは関係ありません。

これを考えるとこれからも色々と変更は進んでいく可能性が高いのではないかと私は考えています。



まとめ

今年の段階では英語の対策を少し変更するという程度に収まりました。しかし、これ以降はどんどん変更されていく可能性があります。そこをきちんと見定めながら来年以降の受験生は頑張ってほしいなと思います。