あなたは血管についてどのくらい知っていますか?
おそらく、心臓から始まって、動脈、静脈、毛細血管があることは知っていると思います。しかし、それらがどのような機能を持っていて、どのように私たちの体に関わっているのかを詳しく知っているかはよく知らないと思います。
この本では血管研究の歴史について語られており、血管の持つ様々な特徴について学ぶことができる1冊となっています。
本の構成
この本は、4つの章に分かれています。
伸びる血管
第1章では、血管が伸びることについて主に述べられています。
胎児のときに血管は新たに作られていきます。そして、生まれて成人になった後は、基本的に伸びることなく同じものが残り続けることになります。
しかし、病気のときには血管が伸びることがあるのです。例えば、ガンでは腫瘍に向かって血管が伸びていきますし、糖尿病の影響で網膜に血管が伸びて目が見えなくなる病気もあります。
これらの病気と血管の伸びの関連、どのようにして血管が伸びていくのか、などについてこの章では語られています。
躍動する血管
第2章では、血圧について主に述べられています。
血液は心臓が拍動することによって送り出されます。しかし、それだけでは末梢まで血液を運ぶことはできません。そこで、血管が伸縮することで血液を送る手助けをしているわけです。この力が血圧に関与しています。
高血圧が病気につながるというのはよく知られた事実だと思います。しかし、そのメカニズムはあまり知らないでしょう。どういう因子が関わって血圧を変化させているかなどが詳しく語られています。
血管を彩る血球たち
第3章では、血管の内部にある血液との関連について主に述べられています。
血液の中には、赤血球、白血球、血小板、などの成分があります。例えば、白血球は外部から入ってきた細菌を排除する役割を持っています。そのためには、血管の外に出て細菌と戦わなければならないのですが、そのときにどのように血管の外に出るのかなどが語られています。
血管はもちろん血液を運ぶものなので、血液との関係というのは非常に重要となっています。その部分をここで学ぶことができます。
詰まる血管
第4章では、血管がどのようにして詰まり、どうしたら対処できるのかということについて主に述べられています。
心筋梗塞や脳卒中など、日本人の死因の多くは血管の病気で占められています。これらの病気の特徴の1つが「血管が詰まること」です。
血管のつまりにはコレステロールが関連しています。コレステロールが溜まってしまうと、それが血管を詰まらせることにつながるのです。しかし、そこの詳しいメカニズムは詳しくわかっていませんでした。
この章では、そのコレステロールがどのように血管の病気につながるかを調べる過程と判明したメカニズムについて語られています。
まとめ
血管は、先ほども述べたようにガン、心筋梗塞、脳卒中、といった多くの日本人の死因となる病気と関わっています。それだけでなく、血液にまで観点を広げると、白血病や糖尿病のような病気にまで関わっています。
全身をめぐるものなので、これら以外にもたくさんの病気に関わっています。血管と血液についてよく調べることによって、様々な病気の治療につながる可能性があるのです。
この「考える血管」をぜひ手に取ってみてください!
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