組織学

気管と肺は、体のエネルギー産生に必要な酸素を取り込む器官になっています。酸素を取り込む機能が必要なのはもちろんなのですが、酸素を取り込む過程で入ってくる異物を排除する機能も必要になっています。そのへんも組織的な観点から見ていきます。

気管

気管は、喉頭から続いてきて、左右の気管支に分岐します。また、上皮、粘膜固有層、気管軟骨、の3層で主にできています。

上皮

気管の上皮は基本的に多列上皮である線毛細胞でできています。他にも、杯細胞、刷子細胞、基底細胞、があります。

線毛細胞は、線毛を動かして異物を外に追い出す働きがあります。また、小さな異物を取り込んで処理する能力も持ちます。

杯細胞は、粘液を分泌し、異物をくるんで排出しやすくしています。

刷子細胞は、表面に長くまっすぐな微絨毛が生えている細胞です。

基底細胞は、基底膜上に列をなしている細胞なのですが、これらの機能はよくわかっていません。

粘膜固有層

粘膜固有層は、膠原線維と弾性線維を含み、血管に富んでいます。また、気管腺が含まれています。

気管腺は、粘液を出す細胞と漿液を出す細胞があります。気管腺には筋上皮細胞があり、迅速に分泌物を放出させることができます。気管腺の漿液にはリゾチームという溶菌性の酵素が多く含まれ、やはり細菌などの異物を排除する役割を持っています。

気管軟骨

気管軟骨は、硝子軟骨であり、気管を輪状に壁を取り巻いています。各軟骨輪の間には輪状靭帯が張っています。気管の後壁には軟骨はなく、膜性壁があります。

肺は、気管が分裂して細かくなっていった先にある肺胞がたくさん詰まっており、これによって酸素を血液中に取り込んでいます。

具体的な分かれ方は、気管→気管支→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞管→肺胞嚢→肺胞、というようになっています。厳密には、呼吸細気管支からはところどころに肺胞が見られます。

この中でも特徴のある細気管支と肺胞について解説していきます。

細気管支

細気管支は、気管支までと違って軟骨が見られなくなり、平滑筋の網と弾性線維からなっています。

上皮は最初のほうは単層円柱線毛上皮ですが、徐々に背が低くなっていき単層立方線毛上皮になります。杯細胞は次第に減って、焼失します。

細気管支にはクララ細胞があり、これは滑面小胞体によってサーファクタントを分泌します。サーファクタントは、肺を広げるのに必要な力を小さくする役割を持っています。

肺胞

肺胞には、I型肺胞上皮細胞とII型肺胞上皮細胞があります。I型肺胞上皮細胞は、血液に酸素を取り込み二酸化炭素を放出させる役割があります。II型肺胞上皮細胞は、サーファクタントを分泌します。

肺胞マクロファージもあり、これは肺に入ってきた細菌などの異物を取り込んでいます。マクロファージについては免疫学で詳しく習います。



まとめ

酸素を取り込んで二酸化酸素を出すという役割よりもやはり異物への対処について頭に入れておいてほしいです。物理的に異物を追い出す、化学的に菌を排除する、生物学的に異物を取り込む、など色々な方法で異物と戦っているわけです。これらの方法をとりあえず押さえておきましょう。