【雑記4】公立高校の授業でどのレベルの大学まで行けるのか【各授業の問題点】

私は地方公立高校出身でそこから東大理三に現役合格しました。高校のレベルとしては県内で12番くらいのところです。

私のブログを読んでいただいている方は分かると思うのですが、私は基本的には参考書や問題集を使って勉強を進めていっていました。学校は東大理三に受からせるための指導をしていなかったためです。

しかし、当たり前のことですが、授業には出席していましたし、なんやかんやで学校の課題もそれなりにこなしていました(母校の先生には「嘘つくな」と言われそうですが……

 

それらの経験を踏まえて、公立高校の授業と課題だけでどのくらいのレベルまで達することができるのかという話をしていこうと思います。

 

あくまで理系の話にはなってきてしまうことご了承ください。



公立高校の授業は何を目指しているか

高校の授業はどの大学に行くにしても必要な基礎を固めるという感じでした。志望校がまちまちな生徒を相手にしている以上当たり前ではあると思います。

そのため、私の考える大学受験の基礎というのは学校の授業と課題をこなしていれば十分に固まると思います。そして、その基礎が確かに大学受験には1番大事なことではあります。

また、共通テスト前にはたくさん共通テスト演習をするという感じです。

 

しかしどの科目も問題点があるため、いわゆる難関大学に合格するのはなかなか厳しいという印象です。

国語の授業について

国語の授業の問題点は3つ挙げられると思います。

まず、1つひとつの文章をじっくりと読み解きすぎているというのがあります1つの文章の研究をして理解を深めていくのと大学受験の問題を解くのとでは結構大きな違いがあります。学校の授業はあまり問題を解くという方向に向かっていませんでした。

次に、基礎に戻る回数がかなり少ないです。他の科目でも似たことが言えるのですが、特に古文漢文では基礎知識を持っているかが非常に大事になってきます。古典文法、古文単語、漢文句形、が分かっているかどうかがほぼすべてです。しかし、学校ではそれらの暗記やテストというのは最初のうちしかほとんど行われず、受験期には忘れてしまいそうだと感じました。

また、国語の授業の比率が高すぎるというのも感じます。理系であれば共通テストだけの人も多い中、1年生から毎日のように授業があるというのはバランスが悪いと思われます。

数学の授業について

数学は他の科目に比べると体系的に授業が進められており、ペースなども割ときちんとしているという印象でした。3年生の初めころには一通り全範囲を習い終わり、そこから演習という形だったと思います。

 

ただ、1点直すべきだと感じるのは、IAIIBをきちんと固めてからIIIに入ったほうが良いということです。学校の授業ではIAIIBIIIを一気に教えていくという形だったのですが、私はIAIIBの授業が終わった後に復習や演習の期間をある程度設けるべきだと考えています。

IAIIBの知識はIIIを習うための基礎となります。IIの微分積分ができなければIIIの微分積分はできませんし、数列ができなければ極限は解けなかったり空間ベクトルができないと体積積分が解けなかったりします。

 

授業と課題だけでIAIIBを完全に固めきっておくというのはかなり厳しいと思うので、授業で全範囲終えた後の演習で取り返していかなければならず、演習が3年生夏から始まることを考えると最終的な到達レベルが少し下がるというイメージです。



英語の授業について

英語の授業は英語表現とコミュニケーション英語に分かれていました。英語表現では英文法や英作文について、コミュニケーション英語では英語長文について学ぶという形でした。

 

コミュニケーション英語の欠点については国語と同じ感じで、1つひとつの文章をじっくり読みすぎているということや文章を覚えている前提のテストであるということです。英語の文章を覚えるということに学習効果があるとは正直思えませんでした。

受験学年になってからは長文問題集に入ってはいくのですが、難易度が

 

英語表現の授業は基本的に役に立つものだと思います。英文法をきちんと学ぶ、英作文の書き方を学ぶ、という意味では授業で結構体系的に学べるはずです。

しかし、現在の2次試験で頻出となっている自由英作文についてはほとんど学べないという感じでした。一般的な自由英作文の書き方を始めとして、どのように組み立てていくべきかというのを解説していけると、本番にも対応しやすいのではないかと感じます。

理科の授業について

理系の大学を受ける際には理科の配点は数英と同じくらいになっているはずです。しかしながら、公立高校ではとにかく理科の進度が遅くなっているのが現状です。

 

私の高校では、1年生では物理基礎と生物基礎だけ、2年生になってようやく物理と化学が始まり、全範囲が終わったのは3年生の12月でした。ここからどうやって演習を重ねていって得点していくのだと感じた覚えがあります。

 

数学と英語をまず固めるべきだという考えが強すぎてこうなっている傾向があるのだとは思います。ただ、私としては配点が同じくらいであれば理科も1年生のうちから本格的に始めていくほうが良いのではないかと思っています。

 

数学が理科には必要だから数学を習った後に理科をやったほうが良いのではないかという意見もあります。しかし、理科も最初は公式を覚えていくなどが基本で、高校数学の知識が必要になってくるのは入試レベルになってからです。早めに始めても特に問題がないと考えています。

システム上の問題として、1年生では文理選択が終わっていないということもあるのですが、そうであれば数学と英語を早めに進めておいて、2年生でどんどん理科をやっていくべきなのではないかと思います。

結局どの大学まで行けるのか

最初にも書いたのですが、公立高校の授業では基礎固めはできると思いますし、共通テスト対策だけは結構やるのである程度点数を取ることができます。しかし、それ以上の難しい問題になってくると得点を伸ばしていくのは厳しいという印象です。

 

これらを踏まえると、公立高校の授業と課題をこなしていれば地方国立大学に進学するのは難しくないです。地方国立大学の問題は基礎が固まっていればそれなりに解けるようになっているからです。

 

旧帝大になってくると少し事情が変わってきます。

東大京大以外では基本問題を完全に解き切ることができれば合格点には達するようにはなっていますが、なかなかそこまで完璧にするのは難しいはずです。そこで、普通は多少応用問題も解くことで全体の点数を上げることになるのですが、公立高校の授業ではなかなかそこまでカバーしきれないです。

そのため、無理ではないけど一部の人に限られてくるのかなという感じがします。地方国立大学の医学部も似たような印象です。

 

東大京大や旧帝大医学部になると、公立高校の授業だけではまず合格できないというのは想像に難くないはずです。



まとめ

ある程度大学進学者がいる公立高校でもこのような感じです。そのため、多くの人が参考書を自分で買ったり、塾に通ったりしているのだと思います。

しかし、逆に言うと、地方国立大学に受かるためだったら学校の授業に本気でついていければ良いということです。

自分の目標や状況に合わせ、取捨選択をしながら授業を受けていければいいのではないかと思います。