東京大学では教養学部時代に第二外国語を履修します。その際に注目されるのがTLPです。名前だけは聞いたことがあるという東大志望の受験生でも詳しい内容は知らないと思います。
実際にTLPを修了した私が詳しく説明していこうと思います。
英語学習に関連している記事をまとめました。英検1級に高得点で受かる勉強法、IELTSで8.0を取るためにやった勉強法、4技能を継続的に勉強し続ける方法、など色々な記事があります。
TLPとは何なのか
TLPというのは「トライリンガルプログラム」の略で、3か国語をマスターしようというプログラムとなっています。日本語と英語がすでに使えるという人たちをもう1言語使えるようにして、国際的に活躍できる人材を育てるという目的のもと行われています。
TLPは最初中国語だけでスタートしたのですが、今ではドイツ語やフランス語など6言語から選ぶことができるようになっています。
TLPに入るための条件
TLPに入るための最低条件として「東大入試の英語において上位1割に入っていること」があります。点数としては例年120点中90点弱が基準になっています。
人気の言語になるともう少し高い点数が求められるようになります。フランス語では90点以上は最低でも必要となってきます。
TLPに入るかどうかは自分で選ぶことができます。入学手続きのとき、第二外国語とTLPに入ることを希望するかが選べます。私だったら「中国語 TLP希望」のように提出したわけです。ここで実際にTLPに入る基準を満たしていれば中国語TLPに、満たしていなければ普通に中国語を習うことになります。
このとき、もし英語の成績が上位1割に入っていても、フランス語TLPの基準を満たしていなければ、フランス語を選択すると普通のフランス語クラスに入ることになり、TLPにすら入れなくなってしまいます。とにかくTLPに入りたいという人はとりあえずフランス語は避けたほうが良いです。
他にも、英語一列という授業の成績が上位1割であれば、途中からTLPに入ることもできます。言語によっては第二外国語の成績も良いことが求められます。
また、IELTSで7.0以上のスコアがあることも英語力の証明として使うことができます。
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TLPでは何が行われるのか
普通のクラスとTLPの第二外国語の履修を比べたのが下の表です。週何コマ授業があるかかをそれぞれ表しています。
1年Sセメスター | 1年Aセメスター | 2年Sセメスター | |
文系クラス | 3 | 2 | 0 |
理系クラス | 2 | 1 | 0 |
TLP | 5 | 4 | 3 |
TLPでは基礎的な文法を学ぶ授業のほかに、長文を読んだり、リスニングの練習をしたり、作文の練習をしたりするクラスがあります。これらの授業によって、より実用的に言語を運用する能力を養うわけです。
中国語TLPについて
中国語はTLPの中でも最初に始まった言語ということもあり、色々な制度が充実しています。それらを紹介していきます。
1つ目は研修です。教養学部時代で2回の研修に参加することができます。台湾研修は1年生の春休み、南京大学研修は2年生の夏休み、に行われます。これらの研修に行くことで、現地で中国語に触れることができます。
2つ目は各学部に進学して以降の中国語授業です。上級中国語という位置づけで、より高度な中国語を身につけていくことができます。それぞれの専門学部の授業と並行して中国語を極めていくことができるのです。
こういう意味では、TLPで中国語を選択するのは非常におすすめです。中国は今すごい大国になっており、これからも世界に影響を与え続ける存在だと思います。その言語を学ぶことで国際的な人間に近づけると思います。
TLPの実態
TLPの実態として3つ紹介します。
1つ目は、英語にめちゃくちゃ強い人がいるということです。入れるかどうかの基準が英語力ということもあるので当たり前だと思われるかもしれませんが、帰国子女などで英語が普通に喋れるような人がクラスに数人いるという状態です。このような人たちが普通にいるという環境は東大でも珍しいと思います。
2つ目は、途中で辞めていってしまう人が非常に多いということです。週に5コマも授業があるのは結構ツライです。しかも、他の授業と被らない位置に授業が挟み込まれているので、1限に入れられることも多いです。これらの事情で、1年間で人数が半分くらいに減ってしまいます。
3つ目は、プログラム修了条件が厳しいということです。単位をすべて取ること自体はそれほど難しくないのですが、それ以外にも英語ができるということが必要になってきます。英語一列という授業で上位1割の成績、もしくはIELTS7.0以上、という条件です。これが達成できなくて、さらに人数は減っていきます。
TLPの長所と短所
TLPの長所としては、人とのつながりが生まれるということです。英語ができるというのは多分他の科目もそれなりにできる人たちです。東大の中でも成績が良く、さらにやる気のある人たちとつながることができます。普段は文系と理系の交流というのはあまりないのですが、TLPに入ることでコミュニティができてそういう交流もできるようになります。
TLPの短所としては、費やす時間の長さです。授業はもちろん、他にも予習や復習に多くの時間を取られます。入学前の時点で他にやりたいことが見つかっているのであれば、そちらに時間を割いたほうが良いと考えます。
まとめ
私自身はTLPに入ってよかったと思います。中国語ができるようになったという他にも、友達ができたり、英語力を維持しようというモチベーションにもなったりしたからです。
東大志望の人は英語を頑張ってTLPを目指してみてはいかがでしょうか。
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誰でも独学でできる大学受験対策について、トップレベルの東大生が試行錯誤して成績を伸ばしてきた経験から色々な記事を書いています。 大学受験参考書 受験勉強体験記 勉強法総論 科目別勉強法
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