HSK5級対策

みなさんは英語の勉強はしていますか?もうすでに英語は使いこなせていますか?

それでは他の言語はどうでしょうか。大学では第二外国語を学ぶことが多いと思いますが、単位を取る以上の勉強をしている人は少ないように感じます。

しかし、せっかく勉強するのであればある程度のレベルに持っていかないともったいなくはないですか?

特に、英語は頑張っているのに他の言語を学んでいない人というのは本当にもったいないです。実は英語が得意な人は他の言語を学ぶスピードが高いのです。

そこで、私が勉強した中国語についてと、その検定であるHSKについて語っていきたいと思います。



中国語という言語について

ご存知の通り、中国というのは世界最大の人口を抱えており、GDPはアメリカに次いで世界2位の大国です。

こんなに多くの人たちがいて、これからもっと力をつけて成長していくと思われる国の言語ならば学んだほうが良い、と私は感じました。それもあって、大学での第二外国語は中国語を選択しました。

中国語として一般に教わるのは北京語です。中国では方言という域を超えて、国内で言語が変わってきます。その中でも最もスタンダードな北京語を大学では学びました。

北京語は北京にいる人達以外でも中国人であれば普通は喋れます。日本で言うと、大阪人が大阪弁と標準語を喋れるのと似ていると思います。

東京大学での中国語勉強

東大の中国語授業では、東大が自ら出版した教科書を使います。

教科書は20章ほどに分かれています。章ごとに文法を78個解説し、その文法を使った短文がそれぞれ載っています。さらに文法全てを使った長めの会話文が1つ載っています。

授業も文法を1つずつ解説していくという感じで、文法を覚えていくのと同時に、短文や長文に出てくる単語も覚えていきます。

中国語を勉強するときの最初の難所

授業では、最初の1ヶ月ずーっと同じことをしていました。それは発音練習です。

中国語の発音は英語に比べてもすごく難しいです。有気音(息を吐きながら発音)と無気音だったり、四声(音の高さの変化が4種類)だったり、日本語や英語では意識したことなかったようなものがいくつか出てきます。

1ヶ月経つとなんとか少し発音ができるようになります。結局まともに発音できるようになるには半年くらいかかったと思います。

こうやって練習した日本人の発音は中国人にとっては面白いくらい綺麗になっているみたいです。イメージとしてはアナウンサーの発音のような感じですかね。

HSKって何ですか

まず、HSKとは何かという話ですね。HSKは中国政府公認の中国語試験で、1級〜6級まであります。ここで注意してほしいのが、1級が簡単で6級が難しいということです。英検とかとは逆ですね。

その中で5級というのは、中国語の新聞がある程度読めてテレビなども頑張れば聞き取れる、というレベルらしいです。リーディング、リスニング、ライティング、それぞれ100点、合計300点満点で180点以上が合格基準です。

HSKに向けての私の勉強と結果

1年間の授業では、文法と最低限の単語力、発音、が身につきます。これだけではHSK5級は合格できないので、独学で勉強することになります。

単語

まずは、単語を鍛える必要があります。

大学の授業では大体3級の単語くらいまではカバーできていたので、4級と5級の単語を覚えました。その際、日本語と同じ漢字で同じような意味を持つものは飛ばして、中国語独自のものだけに絞って覚えました。この方法だと日本語から中国語に訳すのが難しくなるかもしれないのですが、中国語が読めれば良いと割り切っていました。

文法とライティング

次に、文法とライティングに取り掛かりました。

大学の授業ではライティングがあまり練習できなかったので、文法の復習とライティング練習ができるような本を買いました。日本語を中国語に訳す練習をひたすらに繰り返しました。本番では自由作文も出るのですが、中国語訳が書ければ作文もできると考えて、作文練習はあまりしませんでした。基礎となるライティング力が大事だと思います。

リスニング

最初に5級のリスニングを聞いたとき、正直何も聞き取れませんでした。単語を身につけたうえでです。あれは本当に難しいと思います。

そこで、まず4級のリスニングをひたすらに聞いて、何度も聞いて、耳を慣らしました。スクリプトを見ながら聞き取れるようになるスクリプトを一旦読めば聞き取れるようになる初めて聞くものでも何を言っているのか大体分かるようになる、という進み方でした。

そして、5級のリスニングをしてみると、あら不思議、何も聞き取れません()

4級のときと同じように練習しました。簡単な問題は流れを取れるくらいには聞き取れるようになり、難しい問題はところどころ単語が聞き取れるくらいになりました。

HSKのリスニングでは「聞き取れた単語が載っている選択肢を選べば結構当たる」という(良くない)テクニックがあるので、それを使って正解するという手法を取ることになりました。

過去問演習

あとはひたすら過去問演習です。

リーディングは単語さえ分かってしまえば内容はそれほど難しくなく、誤答選択肢はあからさまに誤答であることが多いです。しかし、少し時間制限が厳しいので、そのあたりの調整と速読ができるように練習しました。

リスニングは聞き取れるところは聞き取り、聞き取れないところはいかに正しそうな選択肢を選ぶかというところを練習しました。

ライティングは中国語訳する問題は普通なのですが、自由作文は指定が少し特殊です。なので、特殊形式に慣れるための練習が中心でした。

本番

中国語の授業が終わって春休みに入ってから3ヶ月ほどちゃんと勉強したこともあり、全体的に結構解けた感覚でした。

実際、結果も240点越えで、5級合格者の中でも割と上位に位置することができました。

リーディング90、リスニング80、ライティング70、くらいで、苦手だと思っていたリスニングが思ったよりも伸びて良かったです。

独学でやるならどうすればよいだろうか

独学で行うなら次のようなステップになると思います。それぞれのステップでおすすめの参考書や問題集は最後に載せています。

  1. 初心者向けの単語帳を使い、CDを聞きながら発音の練習を行う
  2. 同じ単語帳で基礎単語をCDを聞きながら覚える
  3. 文法問題集で文法を覚えていく
  4. 文法問題集で英作文の練習を行う
  5. HSK5級までの単語を暗記する
  6. 過去問形式の演習を行う

最初に発音を覚えていきます。いくら漢字とは言っても、読み方がわからない状態ではどうにもこうにもなりません。じっくりと発音練習を行っていきましょう。中国語は似た音や四声を持った単語が結構多いので、それらをきちんと区別できるという自信をつけましょう。

次に基礎的な単語と文法を覚えていきます。単語はやはりCDで聞きながらリスニングを意識した勉強を進めるべきです。文法はニュアンスの違いに着目しましょう。日本語に直すと同じ意味になっていても、中国語としてのニュアンスは異なります。そこをネットも使いつつ区別しながら勉強していけると、作文のときに不自然さが減ると思います。

そしたら、作文に移って行きます。文法書に載っている作文問題は、文法の説明に使われた単語を使えば書ける作文となっています。文法や単語の知識確認として作文の練習は徹底的に行いましょう。作文ができればここまでの勉強は大体固まっていると考えて良いです。

いよいよ一番大変な作業に入っていきます。単語の暗記です。日本語と同じ意味のものを除いたとしても、15級の単語を網羅するには1000個以上の単語が必要になってきます。ほとんどのテストで言えることなのですが、結局は単語力にほとんどが左右されます。つらいですが頑張って覚えましょう。

ここまでくれば最後は本番形式の問題を解いていきます。

リスニングは3級や4級のものから聞き慣れていく必要があります。徐々にレベルを上げていき、耳を徐々に慣らしていきましょう。5級を受けるのであれば、4級のリスニングはほとんど聞き取れるというレベルに達していなければなりません。

リーディングはいきなり5級を解くので大丈夫だと思います。それほど難しくないので、読んで解くスピードだけを意識しましょう。

ライティングは形式が特殊ということもあり、その形式に慣れる必要があります。並べ替え作文、単語5つを使って自由作文、写真を見て自由作文、の3つです。特に、単語5つを使ってというのは入試英語などでもなかなかない形式なので、慣れておく必要があると思います。



まとめ

独学であっても1年あれば確実に受かることができると思います。また、単語依存力が高いので、そこの努力次第では高得点も狙えると思います。

複数言語を習得するとかなり世界が広がります。私は英語で喋りあう友達も、中国人の知り合いも、数人ずついます。彼らと話していると普段暮らしている中ではなかなか見つけられない発見がしょっちゅうあります。この世界の広がり方は他ではまず味わえないと思います。

英語や中国語の勉強をして、新たな刺激に触れられる人生にしましょう。

おすすめ参考書

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