英検一級

英検1級は、英語の4技能を問う検定で、大学上級レベルという位置づけになっています。合格率は1割程度で、実際にも難しいことが見て取れます。その英検1級の対策方法について語っていきます。英検準1級まで取れている、またはそれと同等のレベルである、ということを前提にしています。




英検1級の問題構成

一次試験はリーディング、ライティング、リスニングの能力が問われます。

リーディングは、英単語熟語の理解を測る問題25問、長文空所補充が長文2×3問、長文読解が長文2×3問、超長文読解が長文1×4問、となっています。

ライティングは、あるトピックについて200240語で書くものとなっています。自分の意見や考えを論述する形式のことがほとんどです。

リスニングは、短いスクリプトの問題がスクリプト10×1問、長いスクリプトの問題がスクリプト5×各2問、実際の場面を想定した問題がスクリプト5題×各1問、インタビューを聞く問題がスクリプト1題×2問、となっています。

二次試験は一次試験に合格したら受けられ、試験官2名相手にスピーキングテストとなっています。スピーキングでは、まず簡単な日常会話をします。その後、5つトピックが渡されるので、その中から1つを選んで2分間スピーチを行います。そして、スピーチの内容に関する質疑応答が行われます。

英検1級の合格基準

英検の合格基準は英検CSEスコアというもので測られます。これは4技能それぞれについて850点満点で評価するものです。一次試験は3技能の合計が2028点以上で合格、二次試験は602点以上で合格となります。合計点では最低でも2630必要ということですね。

上が私の受検時の成績です。見ての通り、リーディングが得意で、ライティングとスピーキングが苦手というようになっており、日本人らしい成績となっています。日本では学校の授業でもリーディングが特に重視されているので、このような成績の人は多いと思います。

自分自身で言うのもあれなのですが、英検1級の合格者の中でもこの点数は高い方ではあると思います。日本人らしさの出る私でもこの成績が取れるようになった方法について語っていきます。

一次試験対策

どの分野についても重要なのが単語力です。正直、英検1級は単語をきちんと覚えているかが半分以上を占めます。そのため、単語帳を1冊買って確実にすべて覚えるようにしましょう。できたら単語帳をもう1冊買って、英検1級に出る単語をきちんとカバーしましょう。

 

単語を覚えきったら問題集を解いていきます。単語の分野は今まで覚えてきた単語を問題を解くことに応用できるかどうかを確かめましょう。もし単語の問題が半分程度しか解けない場合、それはおそらく単語が覚えきれていないはずなので、もう1度単語帳の方を覚え直しましょう。単語帳を完全に覚えていても解けないものが少なからず出てくるので、問題集で出てきて知らなかった単語はメモして覚えておきましょう。

 

長文問題については、速読力が重要になってきます。空所補充の方は、誤りの選択肢は文法面では正しくても内容的におかしいというがほとんどなので、きちんと文章の流れを捉えながら読み進める力を養いましょう。長文読解の方は、紛らわしい選択肢はほとんどないので、問題文と選択肢を先に読んでおいて該当しそうな場所を文章中から探していく練習をしましょう。

 

ライティングは自分の意見とそれを支持する3つの理由が求められます。まずは、その意見と理由を考えて簡単にメモするようにしましょう。また、理由についてもそれぞれ50語以上は書かなければならないので、理由について具体的に内容をどうするかというのも考えてから書き始めるのが良いです。メモに従って実際に書いていきます。書き終わった後は必ず読み直し、文法的におかしなところがないかを確認しましょう。これを繰り返し練習することで、段々と時間をかけずに書けるようになっていくと思います。

 

リスニングは読んで理解できる内容なのか、それを聞いても理解できるのか、理解したうえで問題に解答できるのか、という観点で練習を進めていただきたいです。

まず、実際に解いてみます。解き進めるときには、スクリプトを聞いて問題文を聞いて選択肢を読んで解答して、というのを繰り返していきます。スクリプトを聞く前に選択肢を読んでも、問題文がないのでどこを聞けばいいか定まらず、脳のキャパが埋まってしまうと思うので、聞いた後で選択肢を読んだ方が良いと思います。そのためには選択肢を速く読んで解答する練習が必要です。

次に、解けなかった問題についてその原因を考えます。もう1度聞いてみて解けるのであれば問題に解答するときに原因があります。スクリプトを読めば解けるのであればリスニング力に原因が、スクリプトを読んでも解けないのであれば英文理解に原因があります。どこに原因があるかを考え、それを意識した勉強を進めていきましょう。

 

本番ではリーディングとライティング合わせて100分間で解かなければならず、時間制限が厳しく感じると思います。リーディングの方が量が多いですが、配点はライティングも同じなので、それを意識した時間配分をした方が良いです。私のおすすめは、単語10分、空所補充7.5×2、長文読解10×2、超長文読解20分、ライティング35分、という配分です。できるだけライティングに時間を残せるようにしましょう。

リスニングは集中力が必要です。長時間、スクリプトを聞いて選択肢を読んで解答して、を続けなければならないからです。1問考え込んでしまうと、次の問題も聞きそびれて連鎖になってしまい、焦って集中力も欠いてしまいます。そのため、分からない問題は考え込まずに勘で1つ選択肢を選び、次の問題のために心を落ち着かせましょう。

二次試験対策

スピーキングに必要なのはとにかく実際に声を出して練習することです。話す内容を想像しているだけだったり、書き出しているだけだったりすると、本番で一切喋られずに終わる可能性があります。声に出すことは想像以上に難しいので慣れておく必要があります。

 

まず、最初の簡単な会話の対策として、自分のプロフィールなどをきちんと考えておくことが大切です。日常的な会話をするので、自分が学生なのか社会人なのか、どのようなことを学んでいるのか、どのような仕事をしているのか、趣味は何なのか、などの聞かれそうな質問の解答をあらかじめ決めておきましょう。自分がどのような人間であるかをきちんと把握していないと、英語力があったとしても話せなくなってしまいます。

次に、スピーチの練習をしましょう。色々なテーマについて、1分間で考えて2分以内でスピーチをするという練習を繰り返しましょう。その練習後は、一度じっくり考えて話す内容を決め、それを綺麗に話す練習をしてみましょう。実際に綺麗なスピーチをするという感覚を得ておくことが大事です。これを繰り返していくうちに、1分間考えただけでもそれなりに良いスピーチができるようになっていきます。

最後に、スピーチ関連の質疑応答の練習をしましょう。問題集にはスピーチのテーマに応じた質問が載っているので、それに対してどう答えるかを瞬時に考えて話す練習をしましょう。1つの質問につき1020秒ほど話すということを心掛けて練習すると良いです。

 

本番では、試験官が2人いて、ほとんど交互に話すような感じになっています。片方は日本人、もう片方は外国人であることが多いです。

本番で一番緊張するのがスピーチだと思います。5つのトピックから選んで内容を考えるときのコツとしては、10秒以内にトピックを決め、話す内容をおおまかに3つほど決めるのを30秒で行い、その3つの内容の中身を20秒ほどで考えます。話す内容をそれほど細かく決めている時間はないので、細かい部分は話しながら考えていきましょう。

少し途切れ途切れだとしてもそれほど減点はされないので、流暢であることの意識よりもちゃんとした内容を話すことを心がけましょう。

 

英検用のスピーキング対策以外にも、英語学習に興味ある友人と英語で会話したり、英語圏の友達を作って話したり、ネット英会話のようなものを活用ができると思います。

 

私が良かったと思うものとしてベストティーチャーというものがあります。

これは自分の書いたスクリプトを添削してもらい、それをベースにして英会話を進めていくというものになっています。言いたいことをはっきりさせることがスピーキングでは大事になってくるため、その練習をすることができます。

もちろんフリートークもできるようになっているので、普通のスピーキング練習をしたい人にもおすすめです。



まとめ

英検1級は難しいですが、地道に単語を覚え、地道に練習を重ねていけば確実に超えられる壁だと思います。自分の英語レベルを上げるのに非常に良い試験だと思うので、ぜひ頑張ってください。

英検1級以上を目指す際には、IELTS日常の英語学習に力を入れてみてください。

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