組織学

ほとんどの臓器は、表面を上皮組織で覆われています。その上皮も、形や機能の違いによっていくつかの種類に分けられています。

上皮組織のすぐ下には基底膜があり、さらに下に行くと結合組織があります。

また、上皮組織の特徴として、細胞同士が色々な種類の接着をしているというのも挙げられます。その部分も解説していきたいと思います。

上皮組織の種類

細かく分けるともっとあるのですが、今回は主な6種類について語っていきます。

単層扁平上皮

単層扁平上皮は、扁平な上皮細胞が1層に並んだものです。血管の内皮のように、薄さや透過性を求められる場所に用いられる上皮になっています。

単層立方上皮

単層立方上皮は、扁平上皮よりも少し厚みのある上皮が1層に並んだものです。甲状腺の濾胞上皮などに見られます。

単層円柱上皮

単層円柱上皮は、立方上皮よりもさらに厚みの増した上皮が1層に並んだものです。消化管の上皮は主にこの種類になります。

重層扁平上皮

重曹扁平上皮は、扁平な上皮細胞が何層にも重なってできたものです。何層にも重なっている分、色々な刺激に耐えやすくなっています。そのため、刺激が多くなる皮膚、食道、膣などの上皮はこの種類になっています。

多列上皮

多列上皮は、基本的には1層なのですが、高さが異なる上皮細胞が並んでいて表面に出ている細胞は限られているため、数層に連なっているように見えるという上皮です。

繊毛を持つ場合が多く、これが動いて異物を外に出すという役割もあります。そのため、鼻腔や気管などはこの上皮になっています。

移行上皮

移行上皮は、状況に応じて上皮の形が移行することからこの名前がついています。つまり、色々な形態をとりうる上皮ということです。

例としては膀胱の上皮があり、尿が溜まっているかどうかで上皮の厚さが変わります。尿が溜まると引き延ばされて扁平になるというわけですね。

細胞接着

隣り合う上皮細胞同士は、様々な接着によってつながれています。その種類について語っていきます。

閉鎖帯

閉鎖帯は、上皮細胞の上端近くの接着で、クローディンとオクルディンというタンパク質が関わっています。この接着の特徴として、細胞同士を密着させ、上皮細胞間を分子が通らないように制御しているということが挙げられます。

接着帯

接着帯は、閉鎖帯のすぐ下にあり、カドヘリンというタンパク質が関わっています。

デスモソーム

デスモソームは、接着帯から少し間を開けて下にあります。細胞膜の細胞質側に接着板、細胞間には細胞間層、という構造が見られます。

ヘミデスモソーム

ヘミデスモソームは、上皮細胞と基底膜をつないでいる接着です。上皮細胞が剥がれていかないようにしています。インテグリンというタンパク質が関わっています。

ギャップ結合

ギャップ結合は、細胞間で物質移動をするのを主に目的とした結合です。コネキシンが輪状に6量体を作ってコネクソンとなり、これが筒状の構造を作り上げます。この筒を通って、イオンなどの物質が細胞間で移動していきます。



まとめ

総論として初めに出てくる上皮組織ですが、意外と奥深いものがあります。ただの上皮細胞以外にも、粘液を出す杯細胞があるなど、色々な特徴を他にも持っています。

詳しく知りたい方はぜひ教科書などで勉強してみてください。