みなさんはゲーム理論という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ゲーム理論は、普段の生活に現れるような意思決定について、数学的に解析する学問になっています。

「マンガでわかるゲーム理論」という本では、そのゲーム理論の基礎中の基礎を学ぶことができます。今回は、ゲーム理論の概要とこの本について語っていきます。



ゲーム理論とは

ゲーム理論とはどういうものなのかについてですが、ゲーム理論の有名なモデルとして「囚人のジレンマ」が挙げられます。囚人のジレンマについて説明します。

2人組の囚人がおり、2人は現在黙秘を貫いています。このまま黙秘を貫くと懲役1年です。片方が自白すると、自白した側は無罪となるのに対して、もう片方は懲役5年になります。2人とも自白すると2人とも懲役3年になります。

この状況について、囚人が自白するべきかどうかについて考えるのが囚人のジレンマです。囚人のジレンマのように、どのような意思決定をするのが最適かを数学的に考えていくのがゲーム理論となっています。

マンガでわかるゲーム理論の構成

今回紹介する「マンガでわかるゲーム理論」という本では、ゲーム理論の基礎となる考え方や用語について、文章とマンガで学ぶことができます。

形としては、見開き1ページで1つの項目について解説されています。左側のページに説明文が、右側のページに図やマンガが載っており、文章と視覚によってゲーム理論について学んでいくことができます。

実際に扱われている項目としては、上に挙げた「囚人のジレンマ」や、ゲーム理論で最重要な概念であるナッシュ均衡やパレート最適など、そして私たちの実生活にどのようにゲーム理論が使えるかの具体例、です。ゲーム理論の基本について知ってからそれが実生活にどのように生かされているかを見ることができるので、この学問の面白さが分かりやすくなっています。

実生活でのゲーム理論の応用例

ゲーム理論が実生活中にどのように応用されているのかの例として、この本の表紙に書かれている「上司が仕事をさぼる」についてここで解説していきます。本の中には他にも色々な例が書かれているのでぜひ読んでみてほしいです。

上司は、部下たちが働いてくれている状況だと、自分がサボっていてもいなくても給料がもらえてしまうので、上司は働かなくなってしまいます。部下たちが働いてくれない状況だと、サボったら給料がもらえないかもしれませんが、残業しまくって仕事をこなしていくよりはマシだと考えます。つまり、部下が働いていようが働いていまいが、上司はサボったほうが利益が大きくなるのです。

もちろん、これが直接実生活に適用できるかというと難しいかと思います。実際の状況は複雑で、上司と部下の関係や会社の規則などが色々絡んできます。そのため、ゲーム理論ではどういう状況なのかを仮に設定し、その状況でどういう戦略をとっていくべきかというのをまず考えることになります。



まとめ

ゲーム理論は、最近注目されている学問の1つでもあります。ゲーム理論という言葉を初めて聞いた人、聞いたことはあるけど全く内容分からないという人、ぜひこの本を読んでみてください。