組織学

小腸と大腸は栄養分や水分の吸収を行なっているという知識は持っていると思います。もう1つ大事な機能として免疫機能があり、それを担っている組織がここではいくつか出てくるのでそこを中心に覚えていきましょう。

小腸

小腸は、胃から繋がる十二指腸、上部5分の2を構成する空腸、下部5分の3を構成する回腸、に分けられています。層としては、上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、漿膜、があります。

上皮

上皮は単層円柱上皮で、絨毛と陰窩があるというのが特徴です。絨毛はその名の通り毛のような構造で、その間の凹みの部分を陰窩といいます。

絨毛の大部分は吸収上皮細胞でできており、この上端部には微絨毛というすごく小さな構造が見られます。吸収上皮細胞の間には杯細胞が介在しており、これは粘液を産生しています。

陰窩には多くの未分化細胞があるのが特徴です。また、パネート細胞という抗菌物質を出す細胞も存在します。十二指腸では、ブルンネル腺という構造があり、これは塩基性分泌物により胃酸を中和して粘膜を守ります。

他にも、寄生虫からの防御に関わるタフト細胞、抗原を取り込んで提示するM細胞、なども存在します。

その他

粘膜固有層は細網組織で、隙間には多くの免疫細胞があります。パイエル板が見られ、これはリンパ小節が集合したものです。

粘膜下層は弾性線維に富んでいて、固有層と筋層をずれやすくしています。これにより、食べたものを移動させやすくしています。また、ここにはマイスナー神経叢が存在します。

筋層は内輪走筋と外縦走筋からなり、間にはアウエルバッハ神経叢が存在します。

大腸

大腸は一般的な消化管構造をしていますが、その上皮と筋層に特徴があります。

上皮は単層円柱上皮で、直腸下端部で重層扁平上皮に移行する。絨毛はないのですが深い陰窩があります。吸収上皮細胞はあまり微絨毛が発達しておらず、杯細胞は数が多くなっています。

筋層は内輪走筋と外縦走筋からなり、非常に発達しています。肛門では筋層が厚くなり、内外肛門括約筋、肛門挙筋、などがあります。



まとめ

色々な構造や特徴のある部分ですが、それぞれきちんと覚えるようにしましょう。