消化管の構造を理解したところで、それを補助する膵臓と肝臓について見ていきたいと思います。
膵臓
膵臓は形としては頭、体、尾、の3部に分かれています。機能としては外分泌部と内分泌部に分かれ、大部分が外分泌部でできています。
外分泌部
外分泌部は、終末部、介在部、導管、からなります。
終末部には腺細胞があり、この上部にはチモゲン顆粒(酵素の前駆体)があり、基底部にはエルガストプラズム(粗面小胞体の集合)が見られます。また、介在部の細胞が終末部に入り込んだ腺房中心細胞も見られます。
終末部→介在部→導管→主膵管→十二指腸、という経路で膵液は分泌されます。膵液にはトリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、アミラーゼ、リパーゼ、が含まれます。また、膵液分泌の調節は、十二指腸から分泌されるセクレチンとコレシストキニンによって行われます。
内分泌部
内分泌はランゲルハンス島によって行われ、ここは様々な細胞が存在します。
A細胞は20%を占めてグルカゴンを分泌します。B細胞は70%を占めてインスリンを分泌します。D細胞は5%を占めてソマトスタチンを分泌します。G細胞は1%を占めてガストリンを分泌します。PP細胞は1%をしめて膵ポリペプチドを分泌します。
肝臓
肝臓は人体で最も大きな臓器です。肝細胞が中心静脈を中心に放射状に並んで肝細胞索を作り、それらが集まり六角柱状の肝小葉を作っています。また、小葉間はグリソン鞘によって区切られています。
肝細胞は、グリコーゲンを蓄えてグルコースに分解して血中に流したり、アルブミンなどの血漿タンパク質を合成して血中に流したり、胆汁成分の産生と放出を行なったりしています。
肝細胞索の間を走る管径の太い毛細血管を類洞と呼び、類洞の内皮と肝細胞索の間の隙間にはリンパが入っておりディッセ腔と呼びます。類洞の内皮には小孔が開いており、血漿は自由にディッセ腔と行き来できるようになっています。類洞の中にはクッパー細胞が、ディッセ腔の中には脂肪摂取細胞がいます。
まとめ
膵臓・肝臓と消化管とのかかわりについてもきちんと押さえつつ、内容を覚えていくようにしましょう。