研究室

学部生も、これから大学院に行くという人も、研究室を見つけなければならないと思います。研究室を決めるときというのは色々な要因がある中で、どのようにして決めていくのか迷うことだと思います。

そこで、私が実際に研究室を決めた方法を話していきたいと思います。



私の研究室の経歴

私は東京大学の医学部に通っています。教養学部時代に駒場キャンパスにある研究室にお世話になり、本郷キャンパスに移動してから現在に至るまでは医学部の研究室に行かせてもらっています。

私は元々研究に興味があったので、駒場キャンパスの時から研究室に通うことにしました。また、医学部は研究室に配属されないのですが、自主的に通うことは可能です。もちろん私は最初から通おうと思っていました。

駒場キャンパスの研究室

駒場キャンパスの研究室を決めるのは、それほど難しくはありませんでした。

というのも、あるプログラムに参加し、そこでいくつか研究室が提示されて選ぶというだけだったからです。とりあえず面白そうだと感じた研究室を選びました。もし変な研究室だったとしても、駒場キャンパスにいる時間はそれほど長くありません。割と直感で選びました。

幸運にも、配属された研究室はとても良い研究室でした。小さな研究室ですが、教授もやさしく、私の実験を手伝ってくださった研究員の方も非常に丁寧に教えてくれました。大学院生の方々もちょくちょく話しかけてくれて、通いやすかったです。

これはたまたまなので、本当に参考にしてほしい研究室の探し方を次に紹介していきます。

医学部の研究室

医学部の研究室は本当に自主的に通うものです。全部自分でやり取りとかもする必要がありました。

 

ここで私がまず行なったのは、先輩に話を聞くことです。年齢の近い先輩でも良いのですが、それよりも経験豊富な大学院生の人に聞こうかなと考えました。

医学部から研究に進む人には大きく分けて2通りあります。

1つ目は、卒業してそのまま大学院に行くパターンです。他の学部ではこれが当たり前かもしれません。

2つ目は、医師の初期研修をしてから大学院に行くパターンです。卒業して医師免許を取るだけでは医師にはなれず、初期研修が必要です。医師という道も残しておきたい場合はこちらを選択します。

私は、将来のことも考えて、そのどちらのパターンの人にも会いたいと考えました。でも、なかなかそれは難しいことです。そもそも、いきなり大学院生にどうやって連絡を取ればいいものか。

おそらく普通は、どこかの研究室見学と同時に大学院生の方に話を聞くことになると思います。でも私はじっくり話を聞きたく、どうにかしてツテを探しました。すると、駒場キャンパス時代に通っていた研究室の大学院生の方が「医学部で大学院に行った2人を知っている」ということで、わざわざ連絡を取ってくれました。本当にありがたかったです。

そのような流れで、私は「卒業後すぐに大学院に進んだ方」と「初期研修をしてから大学院に行こうとしている方」の2名に話を聞くことができました。そこで、学部時代はどのようにして研究室を決めたか、大学卒業後の進路はどんな感じか、というのを聞かせてもらいました。かなり参考になる話でした。

 

次に、研究室見学をすることにしました。まずは研究内容で研究室を絞り、学部生の人数や話に聞いた評判などをもとにして4つほど研究室見学をさせてもらいました。

そこで気づいたのは、研究室ごとに雰囲気が全然違うということです。みんながそれぞれ黙々と作業している感じの研究室もあれば、和気あいあいとしている感じの研究室もあったり、部屋の開放感がすごい研究室もあったり、というように色々な研究室がありました。

ただ、どの研究室も色々と話を聞かせてもらい、大体どういう研究をしているのかというのをきちんと理解させてもらいました。最終的には1つを選ぶことになりましたが、研究室見学は楽しいものになりました。

私の判断基準

まず、4つの研究室の中で、研究内容から2つに絞りました。当然知識が足りていない状況での判断にはなりますが、そのときの感覚に任せました。

そして、その2つの研究室から、全体的な雰囲気を感じ取って決めました。これも感覚的なものではあります。ただ、重要だと思うのは、同じ年代である学部生の方々がどういう人たちか、また実験を教わるであろう研究員の方々がどういう感じであるかだと思います。

特に、東大医学部だと一つひとつの研究室が大きいです。そのため、教授や大学院生の方々と関わることはあまり多くないです。それよりも、教えてくれる人たちや同年代の人たちとのかかわりが圧倒的に多いので、そちらを重視するべきだと思います。

医学部生が研究室に通うことについて

医学部のカリキュラムを知っている人は分かると思いますが、医学部生は基本的に国家試験に合格することを目指します。研究室配属などはありません。卒業論文を書く必要もありません。

そんな中でも研究室に通うことは意味があると思っています。

医学の基盤を支えている研究というのがどういうものなのかというのを実体験で知ることによって、医師になってからもそこでの知識が活かせるのではないかと考えています。

また、病院実習前は机での勉強ばかりになってしまい、実地での勉強の比率はかなり少なくなります。実際に実験をしながら学んでいくためには研究室に通うのが最も良いです。



まとめ

学部生時代は経験も知識も足りない状況で研究室を選ぶことになります。大学院生や研究員として所属する場合とは状況が違います。

おそらく、大学院のために研究室を選ぶときには、いかに論文がきちんと出ているかなどを重視するべきなのでしょうが、それは学部生の場合は必要ないと思います。できるだけ通いやすさを重視すると良いと思います。

 

また、必要より早い時期から通おうと思っている人も、通う必要がないのに通おうとしている人も、躊躇なく研究室にメールを送ることが大事です。

研究者としては、自分の研究に興味があると言われるのは絶対に嬉しいことで、それを鬱陶しいとか思うことはないはずです。万が一見学を断られても、それはおそらく時間上の都合とかのやむを得ない事情だと思います。

 

特に学部生の皆さん、ぜひ私の体験談を参考にしてみてください。