身の回りには科学に関連するワードがかなり溢れています。聞いたことはあるけど説明はできない、という言葉は非常に多いはずです。この本では、そんな身の回りの科学単語について説明しています。

色々な単語について、誰にでもわかるように重要なポイントがまとめられています。今回は、その中の例をいくつか挙げて、どのような本なのかを紹介しようと思います。



抗生物質

病気になった時、抗生物質をお医者さんからもらうことがありますよね。この抗生物質ってどういう物質なのでしょうか。

抗生物質とは、化学物質のうち、人間には効かないが細菌には効いて細菌を殺す物質のことを指します。例えば、人間には細胞壁という構造がないのに対して、細菌には細胞壁があるので、それを壊すような物質を加えれば細菌だけが死ぬということですね。

この抗生物質について注意が必要なのは、これはウィルスには効かないということです。人間のかかる病気はほとんどがウィルスによるものです。インフルエンザもコロナもどちらもウィルスですね。そのため、抗生物質を処方したら何でも効くわけじゃなく、むしろほとんどの病気には効かないのです。

さらに言うと、抗生物質を無駄にたくさん使ってしまうと、耐性菌ができてしまいます。耐性菌は、抗生物質に対抗できるような細菌のことで、これができてしまうと病気の蔓延につながります。

これらの事実も踏まえ、あまり抗生物質の処方をお医者さんに強要することはやめた方がいいわけですね。

電波時計

電波時計って何を基準にして時間を合わせているか知っていますか?

普通の時計は1カ月で数十秒から数分程度の誤差が出てきます。これは、人工的な材料を用いて時間を合わせているからです。

では、どんな時計を基準にしているかというと、原子時計というものを使っています。原子というのは自然の摂理としてすごく正確に時間が測れるものとなっています。その中でもセシウムという原子を使うと正確さが高いので、原子時計にはセシウムが使われます。この原子時計は10万年に1秒程度しか誤差が出ないというすごい正確さです。

この原子時計の情報を夜中に電波で受信して、1日でズレた分を修正しています。普通の時計であっても1日でズレるのはわずかなので、これで常に正確な時間を知ることができるわけですね。

マグニチュード

地震が起こった時によく聞く言葉が2つあると思います。「震度」と「マグニチュード」ですよね。これらって何が違うのでしょうか。

震度というのは非常に分かりやすい指標で、どのくらい揺れたら震度〇だ、みたいなことが定められています。各地域に揺れを測る機械を置いておき、揺れの大きさから震度を算出して公表するわけです。

それに対してマグニチュードは、地震の規模そのものを表しています。どのくらいのエネルギーを持った地震だったのかというのを表しています。マグニチュードが1増えると地震の規模は約32倍になるので、マグニチュードがちょっと増えているだけに見えても実はすごい差が生まれているわけです。

ちなみに、今までで1番大きな地震はチリで起こったマグニチュード9.5の地震です。東日本大震災でも9.0なので、その5倍以上という超巨大地震だったのです。

まとめ

理系であっても、自分の専門分野以外では知らない内容が結構出てきます。専門外の分野についても最低限の知識は持っておくとよいです。

この「今さら聞けない科学の常識」をぜひ手に取ってみてください!