今までたくさんの生徒さんを見てきたなかで、色々な勉強方法をしている人たちを見てきました。
その経験の中で、私は実践していなかった勉強法を実践している人がたくさんいること、明らかに成績が伸びない勉強法を実践している人がいるということ、がわかってきました。
その中で特によく見られるようなものをピックアップして紹介していこうと思います。
漢字練習は記憶定着に繋がらない
これはよく言われていることだと思うのですが、漢字練習帳のように同じ漢字を書き続けるということには学習効果は全くないと言っていいと思います。
何かを覚えるときというのは、それを思い出す過程に意味があります。同じ漢字を繰り返し書いているとき、直前に書いた漢字を見てそのまま書いているだけということがほとんどで、頭を使って思い出すという過程はないはずです。
頭になんらかの形で負荷をかけることによって、記憶というのは定着するようになっています。ひらがなを漢字に直すという過程で頭に負荷がかかっているのかどうかというのを考え直すべきです。
頭に負荷をかけられる暗記法としては、英単語を見て自分で日本語に訳すというようなものです。これは確かに自分の頭で日本語訳を見つけなければならないので、頭に負荷がかかっているということが分かると思います。
暗記が苦手という人は非常に多いと思います。かくいう私もあまり得意ではありません。医学部に入ると非常に覚えることが多く、テストのたびに苦労しています。 しかし、受験勉強においては暗記が非常に多くの割合を占めています。最低限 …
ニュースを英語で聴くのは意味がない
特に社会人受験生がよくやっていることなのですが、ニュースを英語で聴くことはあまり学習効果がないです。
もちろん、元々英語力がある状態であれば、英語のニュースでもある程度聞き取れることができると思うので、リスニング力の維持や知らない単語を補充していくことができると思います。ただ、社会人受験生の方々を見ていると、ほとんどの方々が「よくわからないけど英語を聞いていればリスニングに役立つのではないか」と考えてそういう教材を使ってリスニングを行なっていることがわかりました。
どの科目でも同じことですが、自分に見合ったレベルでない問題集を使っても成績向上には役に立ちません。数学などでは明らかに問題が解けないのでみんな気づくのですが、なぜか英語リスニングではこのミスをする人が非常に多いのです。
自分も当てはまっているという人は一旦見なおしてみてほしいです。
参考書をカラフルにするのは逆効果
ペンやマーカーを使って参考書に印をつけたりメモをしたりすることがあると思います。このときに、様々な色を使ったり、マーカーをたくさんひいたりして、参考書がカラフルになっているような人を時々見かけます。
東大生でも、メモをしたり印をつけたりはもちろんします。しかし、それは参考書の中でも重要な情報を抽出するために行なっているものです。つまり、頭に入れるべき情報を減らすために行なっているものということになります。
たくさんの色を使うということは、情報を無駄に増やすことに繋がります。参考書の中の情報は「重要 or 重要でない」の2つだけに分ければよいはずです。それ以上の区分は意味がありません。
また、たくさんマーカーをひいてマーカーだらけになっているというのは、マーカーがない状態と同じなので、やはり情報を減らすことの役には立っていないはずです。マーカーをひいたという満足感ばかり得て実際に学習効果がないという悪影響すら考えられます。
さらに加えてしまうと、適切なものを選んでいれば高校の参考書や問題集の内容は基本的にすべて重要だと考えて良いです。私は勉強計画を立てるというサービスを行なっていますが、そこで使っていただく参考書や問題集の内容はすべて身につけていただきたいと思っています。
参考書の内容はすべて理解しておく、特に覚えるべき内容についてメモしたり印をつけたりする、というイメージでいましょう。
まとめ
効率の良い勉強方法を実践していくというのは、裏を返せば悪い勉強方法を排除していくということでもあります。
自分に必要ないものをできるだけ排除していくという意識は常に持っておくようにしましょう。